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うずら卵の不思議/その境界線はどこから?
よく「食文化」という言い方がされますね。生きものにとって「食べる」ことは必要なことですが、そこにはさまざまな生活環境が絡み合っています。日本には四季がありますし、食の欧米化という言葉もあり、それこそ季節ごとの食材や、世界中の料理が食べられています。しかしその一方で食糧自給率の低下や、廃棄食物の問題など私たちを支える食の環境はいつどうなるか分からない状況にあるともいえます。

まあ、そうした食のグローバリゼーションの波の中にあっても地域の中で育まれてきた独自の「食文化」という、昔から伝わってきた地域性の強い文化にふれることは、そんな不安をふと忘れさせてくれるように感じます。グローバル化を悪しき動きだなどと言っている時代ではありませんが、地域風土に根ざした食事を通して、私たちは「食べること」と「生きること」のよろこびを感じることが出来るのだと思います。

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<福岡で食べた海鮮丼。うずら卵がポツン…。右の写真は山笠>
私は大阪の出身なのですが、就職のために愛知県に移住しました。そしてある日、ふと気づいたのです。「…おや?アレが乗ってないんだけど…。」子どものころに食べていたザル蕎麦を思い出すと、いつも薬味の乗った小さな豆皿にはおなじみのネギやワサビといった薬味たちといっしょに必ず付いていたものがもう1つありました。それは「うずら卵」。殻の先端をくり抜いてあるので、ネギやワサビの緑と相まって黄身の鮮やかさが記憶に鮮明に焼き付いています。ですが、愛知、そして長野、東京…いずれもザル蕎麦の薬味には「うずら卵」はなく、私の子どもの頃の記憶は間違いだったのだろうかと不思議に思っていました。「関西人は宇宙人だよね。」とある人は言っていましたが(笑)、ザル蕎麦にうずら卵はもはや宇宙食なのかしらと思うようになっていました。

でも、先日訪れた福岡でそんな悲しい思い出に幕を引くことが出来ました。「福岡、お前もか!!」と、その食べ物を見た瞬間に、まるでシーザーのように叫びそうになったのですが(…でもこれちょっと使い方が間違っていますね:笑)、とてもうれしくなりました。それはザル蕎麦ではなかったのですが、確かにザル蕎麦の薬味と同じ位置づけで「うずら卵」が置かれていたと思ったのです。海鮮丼のまん中にポツンと置かれた黄身の微笑み!後日、福岡出身の方に確認したところザル蕎麦にも確かに「うずら卵」は付いてくるそうです。

関西人が宇宙人なのか、それとも関西人も福岡人も宇宙人なのか、いやいや単なる偶然なのか、それは未だに不明ではありますが、この不思議な食習慣の境界線がいったいどこにあるのか、とても気になる今日この頃であるのでした。

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【プロフィール】

2003年/
・フィルムアート社編集長津田博史氏が講師を務めるアートリテラシー講座を受講
2005年/
・15回日本ダンス評論賞にて第1席
2006年/
・現代アート、演劇、ダンスなどについての評論活動スタート
2007年/
・ATL発足。
アーティストのPR支援、「レビュアーのためのワークショップ」を企画・運営
2008年/
・コミュニティFMラジオSAN-Qにてアートに関する番組をスタート(Art Life for SAN-Q)
・アーティストのマネジメント+公演の実施(psycho-lot+ 長野県松本市・10月)
・身体表現誌CORPUS編集員に就任
・webマガジン 名古屋アートライフ編集員就任
2009年/
・ブログ『理由/Re:you』開設

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