数学の苦手な私が統計を学ぶことなどウソのようですが（笑）、昨年から会社の研究会に所属（2年の任期）して学びつつ、個人テーマを設定して研究しています・・・とは言いつつ、私のグループは初心者を想定したグループなので基礎的なことからていねいに教えていただいてます。それに、今どきの統計は複雑な計算はすべてパソコンのツールが処理してくれますから心配はいりません。数学的な頭の回転よりも論理的な思考が出来るようになれば大丈夫なんです。コレ、実は舞台評論を書くこととすごく似ているなと思うこともあります。


　　　　

＊主成分分析：http://www.yahoo-vi.co.jp/method/d05.html#sub01

まずデータを眺めて、規則性を想像してみます。どんな連続性があるのか、どんな偏りがあるのか、そこから何が言えるのか･･･。両者が違うのは、集めた情報をデータとして解析ツールが加工し、そこから思考していくのが統計で、直観がある種の加工（＝自分らしい視点）をし、そこから思考していくのが評論でしょうか。これ、経験した方だと「そうそう！」ってわかってもらえそうなんですけど、違うかな（笑）。

今日は統計の基礎として「主成分分析」と「クラスター分析」と「アンケート設計」を学びました。で、事務局の方が用意して下さったタイプ分けのアンケートを受講生メンバーで回答して、結果を主成分分析してみるということをしました。ぜんぶで40の設問に解答して解析ツールにかけてみると、十字型の縦軸と横軸をクルリと囲むように、楕円状に固有ベクトルの散布図が描かれて…なんて書くと、もうきっとよく分からなくなっちゃいますよね（笑）。自分で書いていて何だか知ったかぶりをしているみたいで気持ち悪いですし。。まあ、この当たりのお話は省きましょう。

で、このアンケートの設問というのが職場でどういうタイプの人同士をコンビにすると良いかを判断するときなどの参照に使われるというもので、なかなかおもしろいんです。以下に設問を転記してみますね。

１．自己主張することがヘタだと思う
２．常に未来に対して情熱を持っているほうだ
３．他人のためにしたことを感謝されないと悔しく思うことがよくある
４．競争心が強い
５．初対面の人には冷たい印象を与えやすい
６．人にはなかなか気を許さない
７．他人がどう思うかにあまり関心がなく、自分はいつも幸福だと思う
８．仕事の出来栄えについて人から認められたい
９．知らないことを人に聞くのは苦手である
10．友達が他社と親しげに話していると、いつも嫉妬心を感じる
11．人からものを頼まれるとＮＯと言えない
12．パーティーなどでは目立ちたがりやの方だ
13．何かをするときは、先ず計画を立てる方だ
14．何かを決めるときに人の同意を求める
15．気がつくとその場を仕切っていることが多い
16．変化に強く適応力がある
17．何事も自分の感情を表現するのは苦手だ
18．疲れている時でも無理して仕事をすることがよくある
19．思い通りにならないとイライラしやすい
20．他人といると自分のことが後回しになることが多い
21．短い時間に出来るだけ多くのことをしようとする
22．他人の欠点や弱点にすぐ気付く方だ
23．自分は子供っぽく、陽気な人間だ
24．何でも完全でないと気が済まない方だ
25．自分が納得しないことはしない
26．野心が人一倍強い
27．失敗しても立ち直りが早い
28．常に物事の明るい面をみる
29．人からの評価を気にする
30．自分と他人をよく比較する
31．たくさんの情報を検討してから決断を下す
32．何ということもない会話をするのが苦手である
33．他人に奉仕することを大切に感じている
34．相手の好き嫌いに関わらず、人の世話をしてしまう方だ
35．どちらかというと人見知りをする方だ
36．行動を起こす前によく考える方だ
37．嫌なことは嫌と、はっきりと伝える
38．自分が思ったことはストレートに言う
39．楽しいとひとからよく言われる
40．人の話を聞くよりも、自分が話していることの方が多い
＊これらについて4段階で評価（４＝あてはまる／１＝当てはまらない）

この設問を解析して、十時型の軸に意味をつけていく（＝軸の解釈）をしたのですが、私たちのグループは横軸右を「外交的」左を「内向的」とし、縦軸上を「敏感」下を「マイペース」としました。敏感型の人たちは、一見しっかり者ですが、内心では評価を気にしていたり同意を求めていましたので、「繊細ながんばり屋さん」グループと名づけ、外交的な人たちには野心が強かったり、話好き、楽しいと言われるという人たちが多かったので「上昇志向」グループと名づけたりしました。主成分分析は、出てきたデータに解釈を加えていく分析なので、とてもニンゲンっぽいんですよね（笑）。

私はこの解釈の中で、ダントツの「マイペース型」として登場。幸福を感じているというタイプでした。別にれは「７．他人がどう思うかにあまり関心がなく、自分はいつも幸福だと思う」という設問が高得点だったということではないんです（私は３と回答）。多変量解析なので、あくまでも総合的な結果として私は自分を「幸せ者」だと感じていることがわかったんです。検証のために切り口をいろいろ変えて試したんですが、みんなが笑うほど「金太郎あめみたいに、どこからどう切っても幸せ者」らしい（笑）。まあ、解釈は解釈ですから事実とは異なるのでしょうけど。

でも、この回答で感じたことがあります。私は「９．知らないことを人に聞くのは苦手である」「10．友達が他社と親しげに話していると、いつも嫉妬心を感じる」「30．自分と他人をよく比較する」などが１でした。これを見ると、人と自分を比較しないでいることが特徴的なのかなと思うんです。他の回答はそれほど特別変わってもいないと思いますしね。人からどう思われているかは気になりますけど、自分と人を比べることはほとんどしていないんです。だって、自分は自分でしかないですよね。比べようがない。幸せを感じるって「自分と他人を比較しない」ことでずいぶんキャッチ出来るのじゃないかと思ったんですよ。


分析で盛り上がるなんて、ちょっとマニアックですけど、こうして生活の中に活かせる技術なら学ぶ甲斐もありそうです（笑）。これってちょっとステキだなって思いませんか？