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あなたに聞いてほしいこと、あなたから聞いてみたいこと。
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みにくいアヒルの子
『みにくいあひるのこ』は、子どものころに誰しも一度は聞いたことのある物語だと思います。一羽だけ兄弟たちと違う灰色の姿をしたアヒルの子は、みんなにいじめられます。アヒルの子はすっかり自信を喪失させ、失意のうちに死のうと思う・・・アンデルセンの描く物語は、童話として世界中に広がり愛されていますが、大人になって読み返すと、それはファンタジーではないものが根底にあることに気付かされます。大人の世界の苦悩や葛藤が、巧みに妖精や動物に置き換えられてはいますが、そこにあるのは普遍的な人の姿だと思います。

みにくいアヒルの子・・・そこに描かれるのは、まさにあなたのことかも知れないのですから。


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私は執筆活動以外に、会社員としても働いています。ですがそれは、アートにふれながら自分の想いに目を向け、「人間とは?」「社会とは?」「生きるとは?」そんなことについて考えることとは相反するような部分を含んでもいます。なぜなら、組織という場所では個人よりも効率性や全体最適性が求められるからです。もちろん、真の意味での全体最適性というものの理想は、各個人がその人らしさを発揮することで輝きだす社会を示すはずです。ただ、今の企業の多くはそうではないところも多いように思います。

こうしたところに危機感を感じながら(このままでは、こうした企業構造は恐らく将来的には立ち行かなくなるでしょう)、その場に身を置きながら生計を立てているという自己矛盾の中にいる私です。それは、その生きづらさから得ることがあるからだと感じているからですし、ここ数年は幸いにも評価が高く、仕事にも充実感を覚えていたからです。けれども、上司が変わり、その評価は一変しました。私の働きは、その上司の中ではむしろマイナスに近いものになっているのです。今日は、彼が可愛がっている方の昇格を知り、少し落ち込んでいます。

人が不幸を感じることの多くは、他者との比較によって生まれます。私は幸いにもこれまで、自分を他者と比較することがほとんどありませんでしたし、会社での昇格など望むことはなかったのです。ですから、たいてい幸せな気持ちでいられたのです。ただ、今回のように二者択一で選ばれた相手の方と自分とを比較して、その評価に疑問がぬぐえないという状況下でにおいては、自分の幸福を消費し、不幸を感じてしまうのです。

誰しも、評価の前に怒りや不満や落胆を感じることはあるでしょう。ただ、今回ハッキリ思うことは自分がどんな集団の中にいるのか、ということです。恐らく、今の状況で私は灰色のみにくい鳥だとみなされているのでしょう。でも、それは仕方がないのだと思います。風向きが変わるということは、組織の中ではよくあることです。

幸いにも、水面下では異動の話が進んでいます。企業ではありえないことですが、私の受け入れに向けて動いてくれる部署・・・半ばハンティングに近いのですが、買ってくれる部署があったのです。今の職場では灰色の鳥である私ですが、買われた先では白鳥になれるかも、知れません。これは、賭けになる部分もありますけれどね。

詳しく語ることは愚行ですが、人としてあるべき姿を求めても肯定出来ない仕事場もあるのです。ただ、こうした場はこれからは存続できなくなると感じています。時代は動き始めていると感じるからです。ここ近年の世界的な経済不況の構造を見れば、それは明らか。うまくは言えませんが、人らしく生活が送れないような環境で仕事をする組織に未来はないということです。だから、それは全体の一部でもいいから、少しずつ変わっていかなければならない。


個人に与えられた苦悩の理由…それは決して、その人だけのものではありません。苦悩や苦痛を通じて、どれだけ良くしていけるかを考え、工夫していくためのきっかけだと思っています。ですから、今ある状況は個人の幸せを超えた大きな世界の未来への希望。決して、無駄にはならないのです。

私たちひとりひとりがみにくいアヒルの子であること、それが明日のみんなの希望になると信じています。




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Kei-Ka
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【プロフィール】

2003年/
・フィルムアート社編集長津田博史氏が講師を務めるアートリテラシー講座を受講
2005年/
・15回日本ダンス評論賞にて第1席
2006年/
・現代アート、演劇、ダンスなどについての評論活動スタート
2007年/
・ATL発足。
アーティストのPR支援、「レビュアーのためのワークショップ」を企画・運営
2008年/
・コミュニティFMラジオSAN-Qにてアートに関する番組をスタート(Art Life for SAN-Q)
・アーティストのマネジメント+公演の実施(psycho-lot+ 長野県松本市・10月)
・身体表現誌CORPUS編集員に就任
・webマガジン 名古屋アートライフ編集員就任
2009年/
・ブログ『理由/Re:you』開設

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